お・も・て・な・し
2013年、東京オリンピックの誘致プレゼンテーションの際に滝川クリステルさんがスピーチで使った『お・も・て・な・し』の言葉は当時盛り上がり、流行語対象にも選ばれてすっかり馴染み深い日本を代表するキーワードとなりました。
おもてなしの意味には相手に対して心を込めて接遇、歓待、サービスをすることで『もてなし』に”お”をつけた丁寧語の表現です。
語源の由来として、
①裏表がない
相手に対して裏表なく、大切な方を誠実に心から迎えること
②モノをもって成し遂げる
モノとは「心」や「気持ち」も含まれており、相手への思いやりを、しぐさや振る舞い・行動に移して表現すること
まさに日本人ならではの美しい振る舞い、品性のことを意味します。
個人的に、振る舞いや言葉の選択、言葉遣いほどその人の人間性を表すものは無いと思っております。
どんなに着飾って見た目が美しくても(紳士的でも)、振る舞いや言葉遣いが悪いと全て台無しになってしまうと感じてしまうものです。
仕事に変換して考えてみると、どんなに仕事ができる人でもこなせる人でも、振る舞いが悪くて言葉遣いも悪くて横柄な人を一流と言えるでしょうか。また人望はあるでしょうか。
それほどに品格が表れるものであり、おもてなしの心が宿っているかいないかでは大きな差が生まれるのです。
当院では開院準備初期からなによりも『マナー、おもてなし』に力を入れたいとのビジョンがありました。
みなさん、一度は空の旅を経験されたことがありますでしょうか?
航空業界のおもてなしと言えば、右に出る者がいないのでは無いかというほど、いつも心地よい気持ちにさせてもらえるものです。
ANA(全日本空輸)はビジネスモデルにまつわる本を数多く出版しており、空の旅だけでなく、講演や企業の育成など様々な活動をされています。ANAの書籍は何冊か読みましたがまさに目から鱗です。
ANAビジネスソリューションにマナー研修があり、こちらは絶対に開院前に行いたい!と強い思いがありましたので、大変素敵な研修を北敏枝先生とご縁させていただき、実現することができました。

1日研修プランでしたが、1分たりとも逃したくないほど北先生の授業にのめり込むほどでした。
心の底からありがたいと思える時間でした。
「ホスピタリティ」という言葉をご存知でしょうか。
ホスピタリティを大切にしている企業は大変多いと思います。
北先生の授業でも、この「ホスピタリティ」が軸であることを改めて感じる、欠かせない要素でした。
「ホスピタリティ」は心からのおもてなしや深い思いやりという意味で捉えられていますが、ホスピタリティの語源は「ホスピス」から来ており、ホスピスとは病気になった人へ看護を行うこと
もとは医療から生まれた言葉なのです。
医療は人が生きる上での大切なインフラでありいつも身近な存在だと思います。
病院に行った時に、良い思いでかえること、なんだかモヤモヤするあるいはもう2度と来たくない!という思いでかえることどちらも経験したことがあるのではないでしょうか。
よく病院では、患者様に「タメ口」で話すスタッフがいます。自分や自分の家族が見ず知らずの人に「タメ口」で話された時に、ちょっと引っかかる方もいれば気にならない方もいると思いますが、大半の方は前者の気持ちを抱くのではないかと…
きっと話している本人は、親しみを込めているのかもしれませんがそれは大きな勘違いではないでしょうか。
患者様に対して敬意が欠けているとも思うのです。
「診てあげている」というおごりがあるような気がするのです。
話しは戻りますと、空の旅で客室乗務員の方がタメ口でお客様に対応することがあるでしょうか。
恐らくどこを飛び回っても、日本の航空業界でタメ口を話すスタッフの方はいないのではないかと思います。
けれどもそれは、航空業界に限らずどの業界でもサービスを提供する以上「当たり前」の振る舞いだと感じます。
それこそ「おもてなし」の心が備わっているか否かです。

当院ではスタッフが業務するありとあらゆる場所に、うるさいほどこの張り紙をしております。
当たり前のようで、うっかり忙しくて、、なんてことも実はある内容なのです。
とにかくマナーやおもてなしに関しては厳しく指導しておりますが、これまた身内びいきのようですが、当スタッフは大変よく頑張ってくれていると思います。
私たちは患者様にはもちろんですが、スタッフにも敬意しかありません。スタッフがいなければクリニックは成り立ちませんから..おかげさまでいつも感謝です。
またまた話しはそれましたが、それでもそこにおごることなく厳しくチェックはしております。

毎日ひとりひとりにマナーチェック表を義務づけております。先ほどの張り紙の内容の振る舞いがその1日、自信を持って行えたかどうかを評価してから勤務終了としています。
基本がなっていなければ、何事も築き上げることはできません。
生きていれば、仕事をしていれば失敗もあると思います。けれど、私たちは命に関わるミスは絶対アウトでも、業務上の一度や二度のミスは成長に必要なものだと考えます。
けれど、おもてなしの心と相手に敬意を表した振る舞いなくして知識も技術もついては来ないと考えます。まずは基本中の基本です。
今後も厳しくチェックして、自分たちも組織も成長していけたらと感じます。
定期的にANAの研修は組み込んでいきたい所存です。
不足も多いかと思いますが、何かお気づきのことがございましたらありがたくご意見をいただけたると幸いです。
今後ともよろしくお願い致します。
本日もお疲れさまでした。
お・や・す・み・な・さ・い。
2025.04.10