イキガイ

投稿者: staff

こんばんは、今日も1日お疲れ様です。

今朝、クリニックに着くまでの電車での出来事です。どなたか座席にチョコレートの箱を忘れていきました。隣に座っていた高齢の女性はそのチョコレートの箱を持って慌てて追いかけます。熱海駅は朝から東京と同じくらいの人口!外国の人もたくさん。その女性が急足でかけつけ肩をポンポンと尋ねた相手は外国の方でした。お互い言語が共通していなかったために会話はできなかったものの、ジェスチャーで通じ合い笑顔でチョコレートを渡すことができていました。「Thank you」と相手の方が女性にお礼をして去っていきました。

なんだかホッコリする場面に遭遇できて、気持ちの良い1日の始まりでした。

言葉は通じ合えなくても、人と人は分かり合えるものがあるって素敵ですよね(^^)

先日「睡眠」について触れましたが、「休息」とはなんでしょうか。睡眠イコール休息、似たような括りではありますが実はイコールしていないのです。というのは、しっかり睡眠がとれたからといって休息できているとは限らないということです。睡眠は取れていても毎日毎日、イキガイを感じることもなく仕事に追われていたりストレスフルで生きている人が十分な休息を取れていると言えるでしょうか、、、

物心ついたころから、ある程度の人は学校に通い大人になったと思いますが学校ではどんなことを教わりましたか?

あげればキリがありませんが、社会で生きていくために必要な事であったと思います。

ところが!生きていくために必要な事は仕事をする事?人間関係を上手に生きる事?お金を上手に使う事?学歴にこだわること?

まぁ色々あると思うのですが、活動的なことは教えられても、人間にとって必要不可欠な「休む事」について教えてくれた人がいるでしょうか。

これは日本に限らずのことですが、日本人はとにかく勤勉であり「休むこと」がどこかネガティブに捉えてしまう傾向があります。なにも、休む事は怠けることではないのですが。

「働き方改革」というホワンとした制度が現れ、ワークライフバランスを重視するためのものが、都合の良いように捉えられて、簡単に休むこと、怠けること、楽を優先する人がいるのも事実です。

それは、本当の意味での休むことではなくただただ自分に甘いだけのことでネガティブに捉えられても仕方がありません。

本来の休むこととは、また明日から気持ちよく動けるために質の良い休息時間を満喫することです。

こちらの本は、

「グーグル社員」「日曜日」「山」というワードにフォーカスしているわけではなく、これはただのメタファー(隠喩)です。

先に「イキガイ」についてお話ししておきます。「生きがい」という言葉、こちらは海外で人気になった立派な国際語であります。

グーグル社員もイキガイをもって好きなことに人生の大切な時間を注いでいます。

私たちも、クリニックに携わることがイキガイでもあります。

一般的に「グーグル社員」と聞けば、羨ましい!成功者!そんなイメージを湧く方は多いと思います。

けれど、アメリカは夢がある場所ではありますが、時に残酷すぎる現実を突きつけられることが当たり前の場所でもあるようです。

実際にグーグルでは、その時の気分で仕事をする場所を自由に選べる、服装は自由、中庭に出れば寝転がってオンライン会議をしている者、サンドイッチを片手にブレストするチーム、仕事に疲れたらボーリングやバレーボールを行える施設も充実しており、少し疲れたら休息できる仮眠室も準備されているそうです。食事は、職場に数十箇所のレストランがありビュッフェもバラエティ豊かな食べ物が準備されており、スナックやコーヒー、スムージーも飲み放題、ペットまで連れてきていいだとか、、とにかく各々が心地よく仕事に取り組めることに重視しているそうです。

しかし、それは多くの社員にとって永遠の時間ではなかったそうで、2023年にグーグル社員の一斉解雇が行われたそうです。それも夜中の3時に送られてきた「解雇メール」で悲劇を伝えられるのです。もちろん流石グーグル、アメリカでも理不尽な突然の解雇は労働者に対する侵害のため、2ヶ月間の給与保証と退職金、保険制度は保たれていたようですが。それでもあまりにも残酷ですよね。

だから、別にグーグル社員が成功者のようにこの本では語っているわけではありません。

この本が語っていることは、まさにこの悲劇にぶち当たった時に、人がどう対処できるように自分をコントロールできるかということがテーマです。

心が変われば行動が変わる。

行動が変われば習慣が変わる。

習慣が変われば人格が変わる。

人格が変われば運命が変わる。

アメリカ心理学の父ウィリアム・ジェームス

いつも頑張りすぎる私たち。

この言葉の通り、少しだけ休む事を大切にしてみればまた明日からの何かが変わることを教えてくれています。

現代人は、便利なテクノロジーに飲み込まれて自然とともに生きることを忘れてしまいました。

私たちも、自然(山や海)を目的に休暇を過ごすことはあまりないです。強いていうなら、子供を遊ばせに公園とか?!

なんせ、開業してまだ5ヶ月、、やることは制限をかけなければ、やることだらけ、、わんさか湧いてきます。、、が!1-2ヶ月前からようやく仕事脳を切り替えて休むことを大切にできるようになりました。

それまでの間の出来事は思い出してもまぁ悲惨、、、お恥ずかしいながら毎日毎日クリニックのことに寝る間を惜しんで仕事ばかりしていましたから。年末年始も毎日毎日、熱海にこもりきりでしたねぇ( 笑 )可哀想なことに子供に構ってあげられることもできず、況してや子供はクリニックのベッドで寝かせて夜中から朝方に帰るような日々を送っていましたから、、、

けれど1-2ヶ月前からやっと、スタッフや支えてくださる皆さんのおかげでだいぶ落ち着いてきて、今は休みの日はクリニックには行かずにちゃんと家族との時間を大切にする!ということができるようになりました。

でもそれも、どこかにお出かけに行くとか、買い物をするとかでもなくて、ベンチとテントを持って子供を公園に連れていき、ただ自然に身を委ねて子供を眺めている、、、そんな休日です。

ただ、この本を読んでいて腑に落ちたことがあります。やはり自然が近くにあることで身体を癒してくれるパワーがいかにすごい事かを!

若い頃は誰しも自然を楽しむよりも、都会に出て賑やかな場所に身を委ね、キラキラした環境に心をときめかせていたかと思います。けれど、年齢を重ねるうちにそんなことよりも自然に癒されたり、誰かと美味しい食事の時間を楽しんだり、温泉にゆっくり浸かったり、、、とそんなことに幸福感を覚えるようになったのではないでしょうか。

当院の患者様も、元から熱海の方より都会からセカンドライフのために越してきた方が多いです。

温泉が良くて、自然の心地よさに惹かれて

そんなことを皆さん口を揃えておっしゃいます。

「スマホ脳」という話題になった書籍がありますが、こちらでも人間は狩猟民族であった時から脳は変化していない、この短い時間の中で時代だけが進んでいって、人間の脳みそは全く追いついていないと述べています。

つまり、今も人の脳(本能)が求めていることは、テクノロジーの世界で生きるよりも、自然の中で食べるために動物を追いかけたり(自然の中で走り回ること)生きるために能力を発揮することにエクスタシーを感じるようです。

そう考えると、結局人が最終的に自然に癒されたくなるのは妙に納得するのではないでしょうか。人間はそもそもが、こんなに騒がしい環境ではなく自然の中で雨風凌いで生きてきた過去があるわけですから。

現代は、しっかりと休むことがどれだけ難しくなったでしょうか。

休みの日でも、いつも隣にスマホがあるために人の生活がのぞき見できて、上司からは連絡がいつ入るかわからない、それで休むと言えるでしょうか。

「解放」されることは意識しなければ、もはや不可能に近い時代になってきました。

最近、テック企業の人たち(ビジネスの成功者達)は休む事に力を注いでいるそうです。

わざわざ高額な料金を払ってまで、デジタルデトックスをしたりと、、、

これは有名な話しですが、スティーブジョブス筆頭に、シリコンバレーのエグゼクティブ達はこんなテクノロジーを開発しておきながら、自分の子供達には厳重に触れさせることを制限させていたそうです。

なぜなら、彼らはテクノロジーの依存性をわかっておきながら商売にしたわけなので中毒であることは怖いほど知っていたからです。現代人はこの中毒性にまんまと犯されて、広告主のマーケティングにまんまとはまっているわけです。それくらい、テクノロジーは便利であるものの、私たちの時間も休息もいとも簡単に奪っていくのです。

スマホやパソコンに触らず休日を謳歌できる人はどれだけいるでしょうか?

休日を少し工夫するだけで、人はまた明日からを満たされた幸福感のもとで過ごせることをさまざまな研究者達が証明しています。私たちも今は上手に休日を過ごせていなくても、質の良い休日の過ごし方にすれば幸福度を高められることは想像に容易いです。

明日は金曜日!今は死後であるそうですが、華金!

ま、、当院も土曜日まで仕事。土曜日もお仕事の方、不規則休みの方もいらっしゃるとは思いますが世間的には金曜日は一つの頑張ったゴール。

週末、少しだけテクノロジーから離れて

睡眠はもちろん休日を変えてみてはいかがでしょうか。

ここ数日述べているように、春はとくに疲れやすい季節です。

先ほどのグーグル社員の解雇という恐ろしい話しに触れましたが、この書籍が言いたいことは

解雇されたから人生悲劇というわけではないことです。

よくアメリカ人は

When life gives you lemons,make lemonade.

と言葉にするそうです。

どういう意味かというと

病気・失業・離婚など、人生において苦難は付きものですが、そんな「レモン」を投げつけられたら、それをチャンスに、そのレモンを活かしてレモネードを作ろう

とポジティブに捉えるそうです!(好き)

でも、この発想に至るまでには自分なりに人生の過ごし方を工夫する必要がありそうです。

以前「睡眠」についても記録しましたが、

「休日」も大切にしてみませんか?たまには自然を楽しみに出かけてみたり。

文頭でお話しした、高齢の女性が忘れ物を慌てて届けたホッコリした内容。

きっとこの女性はご自分を大切に幸せにしてあげられている方だと思います。そんな方は見ず知らずの人にも親切にできる。そして優しく温かく包み込むことができる。それを見ていた私も幸せになれた、、、

そうやって幸せの連鎖を生みたいものですね。

人に優しくできるためには、まずは自分を大切にすることから始めましょうということですね。それがみんなのイキガイになると嬉しいです。

今日も1日お疲れ様でした。おやすみなさい。