食がつなぐ愛
こんばんは。今日も1日お疲れ様でした。
本日は木曜日、当院は午前診療でした。
朝は少し肌寒く日中は陽に照らされると真夏の暑さも感じて、今日も患者様とお話しするたびに、この微妙な気候についていくのが大変だと多くの方がおっしゃっていました。
みなさんはもう衣替えは済みましたか?
少しずつ夏の準備をしなければならない時期ですね。
本日、患者様が手作りのクリームパンを沢山届けてくださいました。
朝早くからカスタードを作って焼いてみたのと嬉しそうにお話ししてくださいました。関節が痛いこともあるなかで、スタッフのことを思いながらパンを焼いてくださったことを思うと胸が熱くなります。
「本当に良いスタッフだよね、みんな良い人ね、この前◯◯さんとお話しして出た高校が一緒だったの、嬉しかったわぁ」
なんてエピソードも添えてくださいました。
スタッフをお褒めいただけると私たちもものすごく嬉しい気持ちになり、見えないところで患者様と素敵なお話ししていることを知ると一生懸命頑張ってくれていることに改めて感謝します。
患者様を元気にする側に居るはずが、いつも患者様から励ましのお言葉をいただき、心温まる気持ちにさせていただき本当にありがたい限りです。
とっても美味しいクリームパンをありがとうございました。
「食」というのは大変深いです。
「食べること」は単に胃袋を満たすことではありません。「食」といういとなみが、人間としての理性と尊厳を取り戻す手掛かりにもなります。
コンビニの出来合いのお弁当を食べているより、誰かが作ってくれた温かい食事の方が愛を感じることができます。
今日のクリームパンも、患者様が私たちを思って作ってくださった気持ちも相まって幸せな味でした。
誰かにお料理を作ること、食べてもらうこと、それは「好き」を伝えること。「好き」というのは恋愛に寄せる意味あいではなく、人と人が繋がり合う、尊厳を確かめ合うそんな意味の「好き」です。

ちょうどこの本を読み終えたところでした。
今年の本屋大賞で、いつも本屋で堂々と輝いている1冊です。
“食べることは生きること”をテーマにした、優しくて温かくて誰かといただきますがしたくなるそんな内容でした。
どんなに辛いことがあっても悲しいことがあっても、人はお腹が空きます。食べることは生きるために必要なこと。
食べれることは当たり前ではありません。
今まで病院で入院されるたくさんの患者様と出会わせていただきました。病気でご飯が口から食べれなくなった時に「〜が食べたいなぁ」と言葉にされる方が大勢いらっしゃいます。
やっぱり人は食べることは生きがいなんだなぁと、食べさせてあげたい!と胸が痛むことが何度もありました。
長い絶食期間を経て少しずつ口から食べれることができるようになった患者様は本当に幸せな表情をされます。それを見ているとすごく幸せな気持ちにもなります。
「食べる」といういとなみが、こんなにも深いことなのだと改めて感じる1冊でした。
今日は患者様の想いがこもった手作りクリームパンが私たちをとても幸せな気持ちにさせてくれました。
「食」がつないでくれる愛を感じた日になりました。
おやすみなさい
2025.05.15