世界のこと

投稿者: staff

こんばんは。今週も1週間を終えました。

今週はじめから夏休みシーズンで熱海は大賑わいでした。その影響もあり、ご来院いただく患者様は大変だったと思います。

まだまだ8月まで夏休みの人の多さは続きますので、交通には気をつけて無理をなさらずご来院ください。

さて!しばらく空いていた読書についてですが、

今週はこの1冊に夢中になっていました。とても考えさせられる内容でした。

みなさんはどれくらい世界のことを知っていますか?また興味を持っていますか?

実は私も世界のことをほとんど知りません。だから、色んなことを知りたいし、困っている人々や国について、横目で見ているだけの人ではありたくないなとも感じています。

以前もブログでお話ししましたが、子供達の学校では有難いことにSDGsを大切にしてくださっています。

子供達を連れて海のゴミを拾いに出かける運動をしてくださり、子供たちがどれだけ海洋汚染が深刻かを知るきっかけを作ってくださいました。

そのため、海のゴミ拾いをプライベートでも何度か子供と行ったことがあります。ものすごい量でとても私たちだけでは補えないのです。改めてプラスチックが便利でありながら恐ろしいか、人はどれだけゴミを生み出しているのか、、身をもって体験しました。

またもう一つが「ペットボトルのキャップ」を集める運動です。

ペットボトルのキャップがワクチンに変わるという内容です。

私たちは医療従事者として、ワクチンはいつでも身近な存在です。けれども当たり前にワクチンが打てる日本はどれだけ恵まれているか考えたことはありますか?

ワクチンに関してはコロナをきっかけに特に、ワクチンを反対する方が顕著に現れましたが、事実、ワクチンで世界の子供達の生存率が上がっているのです。

ペットボトルキャップがワクチンに変わるということを知ってからは我が家でもキャップを集めることが生活の一部になりはや3年経過しました。

もちろん、そもそもペットボトル自体がエコではないので毎日家族全員が水筒をもって行動しますが、この時期は水筒も空になると便利なペットボトルを外で買うこともありますしペットボトルはどうしても消費します。

その際、キャップを集めることが誰かの命に繋がるのなら、やらない理由はないと思うのです。

SDGsは世界のこと地球のことを思いやる大切な運動でありミッションです。そして誰でも始められます。

昔はあまり馴染みのなかった世界のこと。それは世界のことを知るきっかけがあまり無かったからです。情報社会になって真偽不明な情報がありふれてしまうデメリットもありますが、良いことも沢山あります。

それは、良いことも悪いことも明るみになり、悪いことで言えば、嘘はいつかバレるし、悪いことを隠すという昔は隠し通せたようなことも、今の時代あばかれますよね。

良いことで言えば、世界のことがよく知れるようになったことです。

日本はものすごく恵まれている国です。最近の動向や政治の動きに様々な意見はありますが、世界のことをよく知っていれば、あまり贅沢は言っていられないと我に帰ります。

この本を読んで改めて、1人1人の力や思いやりが、必ず世界が良い方向に動くことを感じました。

この本では序章で「分断本能」世界は分断されているという思い込みについて強く訴えられています。

内容として、人はどうしても2つのグループに分けたがる。「西洋諸国とそのほかの国」とか「先進国と途上国」とか「豊かな国と貧しい国」とか世界の人々は極端に分断してしまうと。けれど、世界のほとんどの人はその中間にいる。ありもしない分断を強調するのはやめるべきだと述べています。

そこで著者は事実に基づく世界の見方として、所得レベルに合わせて4つのグループに分けて説明しています。

世界の人口70億人を分布して米ドル換算で表しています。

レベル1が2ドル以下、レベル2が8ドル以下、レベル3が32ドル以下、レベル4がそれ以上です。レベル2と3に居れば、生きるために必要なものはほとんど揃います。世界の大半の人はこのレベル2と3に属しています。

ここで著者はもっと分かりやすいように、この4つの所得レベルを、ゲームのレベルに例えて説明します。レベル1に居る人はレベル2に進めるために努力をするし、その後もどんどんレベルアップを目指す、ただよくあるゲームと違ってレベル1が最も難しいと。

この生活様式をまとめてくれています。

【レベル1】:2ドル以下

1日1ドルからのスタートです。五人の子供たちが一家にひとつしかないプラスチックのバケツを抱え、裸足で数時間かけて歩き、ぬかるみに溜まった泥水を汲んでくる。帰り道に拾った薪で火を焚き、泥混じりのお粥を調理する。生まれてからこのかた、口にしたことがあるのはこの粥だけ。

家族の誰かがひどい咳をするようになる。調理の煙が肺を蝕んでいるようだ。しかし抗生剤なども買えるわけはなく、医療も受けることができない。ひと月後に命を落としてしまう。それでも彼らの生活は続いていく。もし運良く豊作に恵まれて作物が多めに売れれば、1日2ドル以上の稼ぎが得られるかもしれない。そうすればレベル2に進める。がんばろう。

そういう暮らしをしている人が世界におよそ10億人いる。

水の調達:一家にひとつのバケツで必要な分を往復して運ぶ

移動手段:裸足で歩く

調理方法:薪で火を焚く

調理:泥水の混じったお粥

【レベル2】:2ドルから8ドル

1日の稼ぎは以前の4倍。毎日3ドルのおカネが余る。自分で育てた作物以外にも、例えば鳥を飼って卵を食べることもできる。少しおカネが貯まれば子供たちにサンダルも買える。プラスチックのバケツを買い足したり自転車を手に入れれば、30分で1日分の水を汲んでこられる。灯油のストーブを買えば、子供達は薪を集めてくる代わりに学校に行ける。電気も通り始め、冷蔵庫を使えるほどは安定していないが、停電がない日には電球の明かりで子供達は宿題ができる。マットレスを買えば、地べたで寝る生活ともおさらばだ。けれど将来には不安が残る。一度病気にかかったら、薬を買うために身の回りのものを売り払わないといけない。そうするとレベル1に逆戻りだ。あと1日3ドル余分にあればいくぶん楽になるが、劇的に生活水準を上げるには、収入を今の4倍にしないといけない。どうにかして地元の繊維工場で働ければ、家族で初めて「給料」を稼ぐ人になれるのだが。ちなみにこういう生活をしている人は世界におよそ30億人いる。

水の調達:30分で1日分を運んで来れる

移動手段:自転車

調理方法:灯油のストーブ

料理:卵が食べられる、粥に具材ができる

【レベル3】:8ドルから32ドル

レベルアップ、仕事を掛け持ち、1日16時間働いて、1日の収入がまた4倍の16ドルになった。手元のお金が増えたことで水道管を引いてみた。これで水を汲まなくて済む。電力の供給と安定し、子供も毎日宿題ができるようになり、買いたての冷蔵庫も安定して使えるように。食料を保存できるようになり、毎日違うごちそうが食べられる。バイクも買ったので、少しでも給料が良い工場に通えるようになった。そんなある日、通勤中にバイク事故にあい、子供の教育費を前借りして医療費を支払うことに。治療の末なんとか復帰。貯金が残っていたのでわレベル2に逆戻りしなくて済む。やがて子供2人が高校に入学。高校さえ出てくれれば。自分には手が届かなかった仕事に就かせてやれる。入学祝いとして、近くのビーチに日帰りで初めての家族旅行に行くことに。ちなみにこういう生活をしている人は世界におよそ20億人いる。

【レベル4】:32ドル以上

収入は1日32ドルになり、もはや裕福な消費者だ。1日3ドルを余分に稼いでも暮らしに大差はない。極度の貧困に暮らす人にとっては、1日3ドルの違いが人生を左右するのだが。学校には12年以上通い、旅行の時には飛行機に乗る。月に一度は外食し、車を買うこともできる。蛇口からはお湯も出る。ちなみにこういう生活をしている人はおよそ10億人いる。

この内容を知っただけで、心がとても痛くなりました。

日本人のほとんどは、大変な中でもレベル3から4の生活ができているのではないかと考えます。

このことを書いて募金をすることが善だとか何かをするのが美徳だも言いたいわけではありません。

世界のことを知るだけで、無駄を無くしたり、資源を大切にしたり、何より今ある生活を決して当たり前ではなく尊いものだと思っていけたらと思います。

医療に携わる人間として、やはり世界で医療が受けられずに尊い命が無くなることを無視することはできません。

以前、熱海駅前で国境なき医師団の方々が募金活動をされていました。

当院も微力ながらも応援したいと思い、毎月寄付をさせていただいております。アピールではなく、少しでも自分だけではなく世界が良くなるためにできることをできる人から始めるという活動が広がればいいなと願っております。

先日、「もったいない」についてブログの記事にupしました。たとえコピーミスでも、簡単に見過ごすのではなく、色んなことをちゃんと考えられる人間であってほしいと思っています。コスト意識だけでなく、資源を大切に使うことや、そのモノひとつにしても誰かの努力や苦労、思いがあることを当院のスタッフにも大切にしてもらいたいし、知ってほしいなと感じています。

だからこそ、今後もあぐらをかくことも有頂天になることも未来永劫ありませんし、自分たちに出来ることをこれからも探していきたいと思っています。

世界が1ミリでも良い方向に動けば1人でも幸せな人が増えるのではないかと思っています。

みなさま良い週末をお過ごしください。

おやすみなさい

2025.07.26