おせっかい
こんばんは。まだまだ暑い日が続いており、1日を乗り切るには体力がいりますね!
今日も1日頑張った皆様、お疲れ様でした。
とはいえ、私たちは室内仕事で本当に暑い暑いだなんて言っていたらバチが当たりそうです。
外で仕事をしてくださる方には本当に感謝感謝です。大変な仕事を担ってくださる方がいるからこそ、私たちは安全に生活できる訳ですから。本当にありがとうございます。
私たちは私たちに出来る仕事で世の中を支えていけたらと思います。
さて!当院では院内図書にこだわりのお気に入りのムック本を並べており、たびたび追加しております。
ムック本とは、雑誌と書籍を合わせたような刊行物です。
magazineとbookの混成語だそうです。
オススメの『新書』や『単行本』『文庫本』は沢山ありますが、物語や長い文章だと読みきれずにちょっと満足するには物足りないので、あえてムック本を並べています。
ムック本だとパラパラっとめくりながら、興味のある絵や写真や見出し文に惹かれたところから自分の中に何かが落とし込めるのではと思っています。
皆さんにもぜひ、素敵な言葉に沢山出会ってたくさんの感動をしていただけたらと思います。
私は旅行先でも必ず本屋さんに足を運びます。別に同じ本でも近所の本屋さんに行けば買えるんですけどね( 笑 )
でも、各所の本屋さんの雰囲気は一つとして同じ空間はありませんし、本の推し出し方もオススメの仕方も全然違います。
とある本屋さんでは興味を惹かれなかったけれども、別の本屋さんではなんだかワクワクそそられる、、、という体験をします。
当院の院内図書に並んでいる本も、別に近所だって構わないのですが、いろんな県から当院にやってきてくれた1冊1冊です♪中身を読みこんな内容なら、ぜひ患者様にもシェアさせていただきたい、そんな思い入れのある1冊1冊が並んでいます。病気のことがわかりやすく記載されていたり、オシャレな1冊だけど健康についてのことを書いてあったりと!
待合室に患者様をお呼びしにいくと、並べてある本を読んで待ってくださったりしていると嬉しいものです。
スマートフォンからも情報は得られますが、紙で読む愛おしさも忘れて欲しくないなと願うものです。

熱海の第一ビルに入っている本屋さんも、味があって昔ながらの本屋さんではありますが、結構最新作なんかも並んでてたまにフラッと寄り、お気に入りやシェアしたい本はお迎えします。
先日、この熱海の本屋さんで出会ったムック本に
『ムダなもの、役に立たないものの中に大切な宝物が紛れているはず』という見出しのページがあり惹かれました。
私のこの本を選ぶこだわりも、ムダな時間と思っちゃう方もいるかもしれません。
今は便利な世の中なので、Amazonで検索して読みたい本をささっと選べば有り難いことに明日には自宅に届きますからね..
けれど私にはこの『ムダ』と思われる遠回りもこれから先も自分にとっては大切な時間です。
このページでは
“私たちが役に立つことを目指して切り捨ててきたもの、これがムダの正体です”の冒頭から始まります。
そういって捨ててきたモノ・コト・ヒトの中に、実はものすごく大切な何かがあるのではないでしょうかと、、
確かにそうだなぁと読みながらうんうんと頷きました。
その中で
ものよりも大切にしたい人とのつながりという文節で、
ものごと以上に大切なものが人との繋がりですとありました。
人類はつながることに長けた動物として進化してきて、人間の赤ちゃんも非常にか弱い存在。だからこそつながり合い、互いにコミュニケートし、ケアする方向に進化してきた。その過程で脳も発達してきたのだと。
愛とは人同士の深い繋がりのことで、愛には時間がかかる。時には面倒です。でもだからこそ愛は愛。これをムダな時間として省いてはいけないと。
スマホ一台あればひとりで何でも出来る気になりかねないけれど、それは人間の本性に反する。だから寂しくなってSNSなどでつながりを求める。でもそれは似て非なる繋がりでしょう。
私たちは医療者として、医療をただ届けるだけが使命ではないと思っています。
医療者の根本にはこの『愛』が無ければなかなか難しいのではないかなと感じます。
“母性”に似たような感覚でしょうか。
元気になってほしい!力になりたい!役に立ちたい!少なからず、そんな気持ちがあってこそこの仕事は成り立っています。
当院は駅前で熱海という特殊な土地柄、外国人がよく来院されます。
“英語”というほぼ世界の共通語だけでは通じない、母国語でしかコミュニケーションをとれない方が中にはいらっしゃいます。
本日も日本語と英語が難しい方が来院されました。
今の時代に本当に感謝しました!Google先生です!
この翻訳機といったら、まるでドラえもんが秘密の道具を出してくれたかのように、便利な近未来のような素晴らしいツールです。
来院されてからの問診や症状、必要な治療や検査の説明を無事にGoogle翻訳機様々のおかげでクリアできました。
言葉の共有はGoogle翻訳を使いましたが、マスクを外して表情やジェスチャーも使いながら気持ちが繋がれたのではないかと勝手に感じています。
人は言葉じゃなくてもちゃんと繋がれる何かがあると、言語が異なる患者様と触れ合うたびに感じます。
家族が近くにいない、身寄りが居ない中で、日本という場所に仕事にきてくださっている、そうやってこの街を支えてくださっていることに心からの敬意を表します。
だから、私は毎回外国の患者様が来院された際は思い切りの笑顔と一緒に翻訳機で『日本にきてくれてありがとう』と伝えます。すると皆さん笑顔になってくださって、本当に幸せをいただきます。
このムック本の中ではもう一つの文節に、つながることに特別な意味を見出してきた生き物として挨拶も大切です。ムダな挨拶を省く最近の風潮は大きな間違いです。と書かれています。
『人がいい』という表現は、馬鹿正直で、ダサくて、騙されやすいといった悪い意味で使われますが、いいじゃないですか、あえて『人がいい人』になりましょうよ。おせっかいと思われてもいいから、他人のことを気にかけ、ムダに思えても、感謝されるのを期待せず人に親切にする。それが結局、あなたにとっても、あなたと縁で結ばれた人々にとっても幸せのもとになるんです。
子供の頃にはタイパ、コスパなんて無縁の言葉。子供の頃を思い出して自分に立ち返り、宝物を拾い上げることが本当に『豊か』な暮らしにつながります。
の言葉で締めくくっています。
もう一つ言えば、医療者はおせっかいな仕事でもあるかもしれません。人の人生に深く関わらせていただき、デリケートな問題にも向き合わせていただく。時には厳しいことも突きつけ、元気になっていただくために、健康な生活を取り戻していただくためにがむしゃらです。
おせっかいですよね。
でも、そんな存在が世の中に居ることも悪くはないと思います。相手を思う気持ちがあるからこそ、おせっかいが発動するのです。
病院はおせっかいな場所だけれども、医療者はみんな、患者様が元気になることを望んでいます。
今日の外国人の患者様は、熱海で病院に行ったことがなく、薬のもらい方や場所もわからないとのことでした。だからお節介な私は薬局まで一緒に同行させていただきました。Google翻訳で『ひとりじゃないから大丈夫です』と伝えるとすごく安心してくださり、日本語で『ありがとう』と返してくださいました。
当院はこれからもみんなでお節介を発動しながら、患者様の健康を支えるパートナーとして走り続けていきたいと思っています。
今日はそんな出来事から、結局私自身が誰かと繋がれたことに喜びと幸せを感じることのできた1日でした。
だから、やめられないです、この仕事。幸せです!
それでは今日も1日お疲れ様でした。おやすみなさい
2025.08.19