垣根を越えて

投稿者: staff

こんばんは。今日も1日お疲れ様でした。

先日、高校野球で盛り上がり見事に沖縄尚学の野球部の皆さんが全国の頂点に立ちましたね。毎年素晴らしい高校生の汗と涙で熱く盛り上がる大イベントです。

全国高校野球には勝ち負けの単純さでは語れない深い物語が出来上がるものです。

毎年、監督の素敵な人間性が溢れる言葉の数々に胸を打たれてハッとさせられます。

沖縄尚学高校、日大三校の皆さんもスポーツマンシップはもちろんのこと、人として素晴らしい勝負のあり方だったと思いますわ、

勝ったから見下すわけでもなく、負けたから恨むこともなく、お互いがお互いを讃えあい、勝者を悔しい気持ちと混じり合いながらも讃え喜ぶ姿は美しさそのものでした。

両高には共通点として、厳しい上下関係が無いそうです。雑務ほど上級生が率先して、後輩は先輩に甘え上手だそうで、なんとも微笑ましいチームのようです。

今回、途中辞退したチームでは上下関係の歪んだ厳しさが起こした結末であったのではないかと憶測でしかありませんが垣間見えるものがあります。

さて、チーム力とは一体何が大切なのか。いつまでもなく良好な人間関係とお互いがお互いを思いやる力です。時には厳しく、けれども人として優しさも温かさも決して忘れてはなりません。

野球に限らず、歪んだ上下関係に良いものが生まれるわけがありません。

沖縄尚学の野球ノートに当時の3年生が「3年生が多くベンチに入れるように頑張りたい」と書いたところに、比嘉監督は全員を集めて諭すように「学年で野球をしているわけじゃないよ」と伝えたそうです。

心で伝えたからこそ、きっとチームの選手全員にこの言葉がちゃんと正しく届いたのだと思います。

この言葉をきっかけに、3年生は学年の壁を取り払い垣根を越えていったそうです。

素晴らしいですよね。

もちろん、長いものに巻かれる、私たちはこの言葉を正しく大切にしています。

けれどチームに権力はありません。

当院でも、経営者は偉いのではなくただ責任を取る人、時には嫌な役割を買わなければならない人、みんなが言いたくないことを言わなければならない人、そんなポジションだと常に伝えています。

医療もチームです。

歪んだ上下関係があれば、いい医療をお届けすることは不可能です。

横の関係で、二人三脚のように成長していけたらと思います。

私は2022年、仙台育英高校の須江監督の言葉が今でも印象的です。

コロナで大変だった時期の高校生の皆さんに送った、きっと救われた高校生や報われた高校生はたくさんいらっしゃったのではないかと思います。

その言葉を抜粋して締めたいと思います。

宮城の皆さん、東北の皆さん、おめでとうございます!100年開かなかった扉が開いたので、多くの人の顔が浮かびました。

準決勝、勝った段階で、本当に東北や宮城の皆さんから、たくさんのメッセージをいただいて、本当に熱い思いを感じていたので、それに応えられて何よりです。

入学どころか、たぶん、おそらく、中学校の卒業式もちゃんとできなくて、高校生活っていうのは、僕たち大人が過ごしてきた高校生活とは全く違うんですね。

青春って、すごく密なので、でもそういうことは全部『だめだ、だめだ』と言われて、活動していても、どこかでストップがかかって、どこかでいつも止まってしまうような苦しい中で、でも本当に諦めないでやってくれたこと。

でも、それをさせてくれたのは僕たちだけじゃなくて、やっぱり全国の高校生のみんなが本当によくやってくれて、例えばきょうの下関国際さんもそうですけど、大阪桐蔭さんとか、そういう目標になるチームがあったから、どんなときでも諦めないで、暗い中でも走っていけたので、本当にすべての高校生の努力のたまものが、ただただ最後、僕たちがここに立ったというだけなので、ぜひ全国の高校生に拍手してもらえたらなと思います。

この言葉で、須江監督は自分たちだけの野球ではないこと、いつも地域を背負ってみんなの代表として日々野球を教えていること、その素晴らしい人間性が滲み出た言葉の一つ一つだと感じます。

勝ったことを奢ることもなく、自分たちが主役でもなく、まずはじめに宮城の皆さんおめでとうございますと始まるこの優勝インタビューの言葉。

全ての世界が勝ち負けで得られる本当の大切さを分かち合えればきっと素敵なものが広がる気がします。

私たちも、地域の皆様に貢献できるよう、健康を支えるパートナーとして仲間と共に頑張っていきたいと思います。

おやすみなさい。

2025.08.26