ジブンラシサの花

投稿者: staff

こんばんは、1週間お疲れ様でした。

当院の傾向として、2-3週目は月の中でもいつにも増して繁忙期です。今日は午前中もいっぱいで、クリニックを閉めることなく午後にまたぎお待たせ時間もあったかと思いますが、温かいご理解に感謝致します。ありがとうございました。

また、スタッフのみなさんもお疲れ様でした。

みなさんは1週間どんな時間でしたか?

日々、様々な感情が忙しく動きますね。

春は実は疲れやすい季節!という特徴から、最近のブログでは「あったかさ」をテーマに意識しているのですが、今日は皆様に必ず備わっている「感情」にフォーカスして記録していけたらと思います。

みなさん、自分の中にある感情を自分自身で全て理解しているわ!と自信がありますか?

感情とは主に「喜び」「悲しみ」「怒り」「嫌悪」「恐れ」

の種類があり、それぞれが脳でコントロールして必要な時に出し入れをしています。

ディズニー映画の「インサイド・ヘッド」を見たことがありますでしょうか。

これらの感情をそれぞれのキャラクターにのせて、上手に頭の中の出来事を描いた作品です。

インサイド・ヘッド2では「ジブンラシサの花」を咲かせるために、ティーンエイジャーになったライリーが複雑な感情と葛藤しながら向き合うストーリーです。

感情というのは時に厄介です…

人はいつも幸せな気持ちで居られる訳ではありませんから。

けれども、人がいつも幸せな気持ちでいることが本当の幸せなのでしょうか。

実はそうでもないようです。

「幸せ」という感情はすぐに消え去るようにできているようです。それは、人間が”生きていくため”に必要だから大昔の祖先から大切なこととして今に至るまでも脳に残したようです。

昨日のブログで少しだけ「スマホ脳」という本について触れましたが、アンデシュ・ハンセン先生の《脳》にまつわる書籍は大変面白くてオススメです。自分と向き合うためにぜひ読んでみてください。

こちらの「メンタル脳」は、ヒトの感情について深掘りしている内容です。

アンデシュ・ハンセン先生はスウェーデン出身の精神科のドクターです。

北欧は幸せな人が多い国々で知られています。

なぜ北欧の人が幸せなのかもいずれブログで記録していきたいと思います。

“史上最悪のメンタル”と言われる現代人。

現代は、石器時代・縄文時代など大昔に比べてこれほどにも快適に暮らせるようになったのになぜ精神状態を悪くしている人がこんなにも多いのでしょうか。

アンデシュ・ハンセン先生の本が大ヒットしたり、インサイド・ヘッドのような物語が受けたりするのも、やっぱり人は、自分の中にある感情がわからなくて、いつもこの未知の感情と葛藤しているからだと思います。

自分のことを本当に幸せにできるのも、好きでいてあげられるのも自分自身であることは間違いありません。

「感情」は厄介なものですが、ネガティブな感情は実はとっても大切なのです。脳の1番の役割は「あなたを生かしておくこと」です。人がいつもHappyな気持ちでいられたら、とっくに人は絶滅していると言われています。

著者は、自分が今生きていることがどれほどすごい偶然か考えたことがありますか?と問いています。

なぜならこうならない可能性はいくらでもあったからだと。

例えばひぃおじいちゃんが、ひいおばぁちゃんと乗る電車の時間が違って出会わなかったら、私たちが生まれることはなかった。ただの偶然の積み重ねだけではなくて祖先全員に重要な共通点がなければ今生きていることにはつながらないと。それは「生き延びたこと」生き延びるためには、正しい行動をとって来た、そこには脳による感情は無視できない

ということを述べています。

脳は「あなたを生かすこと」が1番の役目だとお話ししたように、命が最優先です。

そのためにどんな危険からも遠ざけようとするために、私たちを守るために「感情」を使います。それはハッピーな感情や心地の良い感情ではなくて”恐怖”や”不安”を使うそうです。その危険を回避したときには「安心」というポジティブな感情のご褒美をもらえるように出来ているようです。

同じく「幸せ」という感情も、そのご褒美の感情であり本来は欲望を満たせたというよりは、また次に生き抜くための踏み台のようなものです。

現代人がこんなにも疲れやすくて、時々ネガティブな感情に飲み込まれてしまいそうになるのは他でもない「人間関係」だと思います。

昔は、人のパーソナルな部分を知るには家族はもちろん、親密な友人関係や恋人関係人にあり一緒に過ごす必要がありました。しかし今はどうでしょう?

テクノロジーの進化で手のひらサイズの電子機器が、必要な時に連絡を取れる物というより世界中の情報を集めることができるうえに、世界中の人のパーソナルな部分までも知れるようになってしまったのです。

もちろん上手に使うことができたら、人生をたった小さな電子機器にネガティブに左右されることはありませんし、むしろもっと世界を豊かに幸せにしてくれることにも貢献してくれると思います。

前回のブログと似たことになりますが、とにかく疲れやすいのは当たり前の現状です。

でも、ネガティブな感情は生きるためには欠かせない要素だとしたらうまく向き合ってあげる手段を身につければいいのです。「生きるため」に自分が自分を救おうとしてくれているからです。

人は無意識のうちに脳で「闘争か逃走」を選択しながら生き抜いているようです。

チャレンジするか逃げる、諦める。

いつだってチャレンジする人がなんだか素晴らしい人に捉えられがちですが、そうは思いません。

時には逃げることも大切です。逃げてばっかりはそれはまた別問題として。命を断つこともまた別の問題として。

インサイド・ヘッド2ではライリーの心の泉に「ジブンラシサの花」を咲かせるためにストーリーは進んでいきます。脳の中のポジティブな感情をもつキャラクター達は、自分らしさを作るために、心の泉に良い感情だけを投げることが大切だと思って良い思い出だけを大切にしていたのですが、あるとき、自分らしさとは「ポジティブな感情だけが作る」のではないということに気づきます。そこで、「ヨロコビ」というキャラクターは、ポジティブな要素だけで作った花を引き抜くのです。

「自分はダメな人間」「自分は強いんだ!」「自分は優しくない」「自分は役に立っている!」

ネガティブな感情もポジティブな感情も心の泉に流れ込みひとりでに花を咲かせはじめ、たくさんの花でいっぱいになるのです。

それこそが「ジブンラシサの花」という形で出来上がっていきます。

自分らしさとは、決して良い感情だけで過ごすことが大切な訳ではなくて、時には落ち込む感情も、悲しい感情も全てが大切な要素なのです。

人は決して完璧ではない

だからこそ、あなたらしさがあるのだと。

色々な感情があるけれど、1番大切なことは

自分自身を受け入れて、どんな自分も愛すること

愛されるために完璧である必要はないんだよ

ということです。

感情とうまく向き合えることができれば、昨日より少しだけ、今日の自分を頑張ったねと褒めてあげられる、好きでいてあげられることができる気がします。

失敗もうまくいかないことも、私たちも含めてみなさん、人生色々ありますが、そんな日もあっていいよね

とみんなが思えれば、このストレス社会も少しはいい方に向かう気がします。

そして、自分に優しくしていれば誰かにも優しくできます。

アメリカではよく人生の幸福のカギを探すために大規模な調査が行われるそうですが、ハーバード大学いわく、人生における幸せとは収入や成功とは無関係であり、人と過ごす「時間」と「質」すなわち人間関係の良し悪しによって決まる結論付けているようです。

「幸せ」に人間関係が大きく絡むのならば、居心地の良い人のそばにいることを大切にしてください。

人と過ごすことが疲れる時期は、時にはひとりの時間も大切にして居心地の良い時間を過ごしてください。

よく言われる例えに、地球は丸いから

良いことをすれば自分に返ってくるし

悪いことをすれば自分に返ってくる

という言葉があります。まさにそうだなぁ!と度々思います。

ぜひ、週末ゆっくりお過ごしください。

必ず自分自身が「ご褒美の感情」をくれるときがあります。

ジブンラシサの花を大切に育ててみてください。

お疲れ様でした。

2025.04.18