時間
こんにちは
6月が始まりましたね。みなさんはどのような月にしたいですか?毎日どのような時間を過ごしたいですか?
生きてきた中でも、クリニックを運営するにあたっても、今まで「時間」に関する本をたくさん読んできました。
24時間という時間は貧富の差や年齢、国籍に関係なく、皆に平等に与えられた大切な宝物です。
現代人はいつも急いでいて、飽きやすくなっており、「待つ」ということがどんどん苦手になっています。
日本人は時間を守ることが美徳と遠い昔から受け継がれており、それが外国の方から評価されるひとつでもあります。電車がダイヤ通り動くこともまるで当たり前で、それを外国人は「クレイジーだ!」と表現するほどです。現代人の中でもとりわけ日本人はいつも急いでいて時間に追われている印象です。何かを時刻通り行うことは「約束を果たす」と言う意味でも大切なことではありますが、「時間」が自分の思い通りに動かないことに対してネガティブな感情を剥き出しにすることはなんだか人生もったいないような気もするのです。
ゆったりとした気持ちで穏やかに時間を過ごすことが、現代人にとってこんなにも貴重で贅沢なことであり、本当は誰もが手にしたいものなのかもしれません。
毎日の仕事の中で、「時間」を意識するようにスタッフ一同で取り組んでいますが、時々…時々ですがどうしてこんなにも時間に追われて早く早くと急かしているんだろう、何をそんなに急いでいるんだろうと矛盾した気持ちになります。自分達、スタッフひとりひとりのミスが起こってしまう原因を紐解いていけば、「患者様を1分1秒でもお待たせしないよう工夫する」という思いやりであり優しさがかえってプレッシャーになっているのかな..と難しい気持ちになることがあります。
今までのブログでも「クリニックの待ち時間」について触れましたが、病院の永遠の課題とは言いながらも、毎日毎日どうしていくことがベストなのかを考えています。ずっと答えを探していますが、答えは私たちが出せるものでもなく、いつもたくさんの患者様の声の中にあるのだとたどり着きます。ただその中で、いろんなお声が飛び交う中でもひとつだけ守りたいものは「患者様の笑顔」です。
「時間」は、ひとりひとりがその感覚も思いも違って当然です。同じ時間を過ごしていながらひとりひとりその価値が違うのです。不思議ですよね。
セイコーが発表した「時間白書2022」の調査結果によると、調査対象の66.3%もの人が時間に追われていると感じており、さらにその中と48.0%の人がその感覚が以前よりも強くなったと回答しています。また57.2%の人が「1日24時間では足りない」と感じており、この数字は前年度よりも増加しているようです。
働き方改革などもあり、実は現代人は「自分に使える時間」は事実として増えているのです。それとは裏腹に、現代人は「忙しくなった」「時間が足りない」と感じているのです。
けれど、感じているだけで「忙しい」という気持ちや「時間に追われている」という感覚、また何かを「待てない」という感覚も”状態”ではなく”心の感じ方”だったりするのです。
考えられる理由としては、テクノロジーの進化があります。買い物もボタンひとつで済ませられ、明日には届くことが当たり前のようになってしまい、何かの手続きもネットの早さで済ませられることも増えました。「便利」が主導していたはずが、いつのまにか”タイパ(タイムパフォーマンス)”という言葉さえ馴染み深くなったほど「時間」というものも一緒に主導してしまうようにもなりました。現代人はいつも時間と勝負しているような感じです。またスマートフォンという小さなコンピューターに人々は気づかぬうちにどんどん時間という貴重で有限な宝物を蝕まれているのです。
テクノロジーの進化によって、毎日がせわしく、なぜかそこに感情までも大きく動かされたり振り回されてしまう、時には誰かが悲しい気持ちにしたり、傷ついてしまうことだってある、テクノロジーの進化を生活の中で上手に利用して、時間や感情と人が真剣に向き合うことが必要なフェーズに入ってきたようにも思えます。
ただひとつ、きっとみんな良い時間を過ごしたいと思っているし、目標もあるし、優しい気持ちで過ごしたいと思っているはずです。
もっとゆったりと誰かに譲ってあげたり、待ってあげられる、そんな人で自分はありたいなと思うものです。
ひとつの区切りで考えれば、6月は1年の前半の最終月です。
どんな目標を持って1ヶ月を過ごすのか、1年の後半戦をどのように充実させるか、いかに1日1日を大切にできるのか、それは自分次第です。
時にはうまくいかない日も、落ち込む日も、自分自身にガッカリうんざりしたり、誰かの言葉や行動で傷ついてしまう日も、あるかもしれません。
時計の針が伝えるメッセージとして、お笑い芸人キングコングの西野亮廣さんが伝える、とても心に響いた大切にしている言葉があります。
「時計の針って面白くて、長針と短針が約1時間事に重なるんです。…でも11時だけは重ならないんです。短針が逃げ切っちゃう。二つの針が再び重なるのは12時。鐘がなる時です。伝えたいことは、鐘が鳴る前に報われない時間があるということ。人生で例えると、「報われない時間」があっても、やがて「報われる時間」が必ずやってくる。人生における11時台というのは誰にでも必ずある。でも大丈夫、必ず時計の針は重なるからどんなことにも挑戦してください」
素敵な力強いメッセージですよね。
またキングコング西野さん自身も、お笑い芸人として活躍していた頃「ひな壇には座らない、絵本作家になる」と決め発信したとき、調子に乗るなと周りから謂れのないバッシングを受けたそうです。しかし同じくお笑い芸人のタモリさんから「お前はそこにいろ、いつか時計の針が回ってくるから」と励ましの言葉をもらったそうです。
私たちも開院するにあたって、報われない時間も出来事も沢山あり色んな感情が動きましたが、ちゃんと鐘が鳴る時間を迎えることができました。
時計や時間って、いろんなことを教えてくれるし、気づかせてくれます。
大切にしたいことは、できればみんなで笑顔で過ごせる時間が1分1秒でも長ければいいなということです。
時間を大切に、優しい思いやりの心を持ちながら生きていくことができたらいいなと思います。
6月スタートしましたが、そんな気持ちを大切にしながら、目標を持ち、優しい気持ちをもち、そして時間を大切に有効にしてクリニックを運営していきたいと思います。
6月もよろしくお願い致します。
2025.06.02