言葉のおくの「本音」
こんばんは。
GW明けの初日でしたが、みなさま連休明けの1日お疲れ様でした。もちろんGWも関係なしにお仕事だった方も、今日1日、世のため人のためにお疲れ様でした。
当院も連休明け、予約患者様や新規患者様がいっぱいでお待たせしてしまう時間もありましたが、温かいご理解に感謝の思いです。
お孫さんが帰省されていて賑やかだったこと、変わらずお仕事で大変だったこと、とくに変わらない日常だったこと、患者様とのお話しの中で皆様がそれぞれ時間を過ごし方をされていたそうです。
本日は第五の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」について記録したいと思います。
人間は皆が心を持ち、さまざまな考えや思いを抱いて生きています。物の見方や考え方は、生まれてからどのような環境で、どのような人に囲まれて、どのような生活を送ってきたかどうかが大きく影響し、十人十色の視点があるものです。親子であっても、パートナーであっても、親友であっても、全く同じ考えや価値観であることはなかなか難しいことだと思います。
だからこそ、人は相手と分かちあうために、様々なコミュニケーションを取ることで、お互いに擦り合わせたり一致させるために歩み寄ったりするわけです。
相手の気持ちや考えを理解するために「努力」して、また自分のこともわかってもらう必要があります。
この本の中で、昨日のブログ「win-winを考える」が大切になることを述べています。自分も相手もお互いに幸せになることを目指すことです。
この世の中を生きていくためには、さまざまな人と交流していかなくてはなりません。自分の好きな人ばかりと、自分の考えと同じ人とだけと生きていくことには無理があります。
時には自分の気持ちを理解してもらえず苦しむことも、相手の気持ちを理解できなくて苦しむことも、生きていると色んな気持ちと出会う事があります。
日常で関わる人は取捨選択することも必要だと思います。わざわざ自分を傷つけてくるような人と付き合うことはありませんし、自分が疲れてまで関わる人がいるのならば関係を断つことも大切でしょう。
ここでは「仕事」に関連して話しを進めていきますが、仕事をしていると嫌でも関わらないといけない”人”というのも存在します。そこで、まずは自分の先入観や物差しだけでなく相手を理解しようとする気持ちが大切です。
そして次に自分を理解してもらうために努力することです。
しかしこれはあくまである程度の常識の範囲内のケースについての考えであり、あまりにも理不尽なことを押し付けてくるような、あまりにも身勝手な(ハラスメントやいじめ等)振る舞いのケースであれば別です。

この絵はよく認知バイアスにまつわる材料として使われる有名な絵ですが、ある人は「アヒル」に見えて、ある人は「うさぎ」に見えます。
例えば”この動物になにのエサをあげますか?”と問題があったとして、ある人は「にんじん」、ある人は「魚」と答えがあがったときに、それぞれ別の見方をしていると両者の答えは理解しがたいものです。けれども、それを理解できない!というのは自分の物差し・視点でしか物事を見れていないということです。
一旦立ち止まって、どうして相手はその答えを出したのだろうとまずは理解しようと考えてみる事が大切です。それでもわからなければ、もう一度、いや何度でも相手のことを理解するために尋ねてみれば良いのです。
何度もコミュニケーションを重ねていけば、「なるほど!だからあなたはそう考えたんだね」と平和な折り合いをつける事ができるのです。
病院をテーマにしてみると、患者様と医療者側の時間軸や視点は違いますし違って当然です。
例えば、日本中の永遠の課題である「病院の待ち時間問題」です。大学病院では予約時間から3時間以上ずれることが当たり前のようにもなっています。(私たちも順天堂時代は受診する側になったことも多々あります..働いていると忙しないのですが3時間待つのって苦痛ですよね..)私たちも自分たちが仕事をしている時は病院側の立場ですが、時には病気を患い病院を受診することがあります。
その際に人数がいっぱいで待つ時もあれば、人数はそこそこで待つ時もあります。なんとなく人数がいっぱいの時は順番だからしょうがないかと納得できることもあれば、人数がいっぱいでも自分より後に来た人が先に呼ばれると不愉快になってしまうこともあります。中の状況は分からないので、それは当然の感覚であり皆さんがそう思っても自然なことです。
けれど、実は病院という場所は毎日同じ時間で動くことはなく、毎日同じ条件ではいかないことが現実です。
それは患者様おひとりおひとりがさまざまな症状や状況でいらっしゃること、時には検査が追加で必要になったり重要なお話しをしなければならないこと、違う病院を紹介して更に大きいところで検査をしていただく必要がありその場で書類を仕上げなければならないこと。また医療ではトリアージという必要な選定をしなければならない状況があります。予約順番は後ではあるけれども、高熱や症状が芳しく無い優先順位をあげる必要がある方、、その場合は先に診察を進めることもあります。また発熱外来などでは通常と入り口が違い、隔離した部屋で診療が行われることもあります。「予約」というと、どうしてもお店と同じでその時間に必ず入れる!必ず終わる!というイメージが先行してしまいますが、病院の予約とはお時間を厳守する事が難しい状況もあるのです。
一度、当院のスタッフが待ち時間について全ての統計を出したことがあります。やはり人数が多いから待ち時間が発生するという答えには至らず、その日によって待ち時間が長くなってしまった要因は人数ではなくその日の状況による結果となりました。
しかし、患者様おひとりおひとりに必ずしもスムーズなご理解をしていただく事が当たり前では無いことも重々承知でございます。
だからこそ、当院でも待ち時間が発生してしまった際、必要な場合はご説明させていただき患者様にご理解いただいております。その際はどんな状況であっても、まずは相手の方の気持ちを理解することを忘れない姿勢で努めるようにしています。またなるべくそうならないように安全な医療を徹底しながらもスムーズに交通整理ができるよう日々スタッフと反省点や課題を出し合いながら患者様の満足度の向上を考えております。
ただ時間だけを気にして、安全性に欠けた質の悪い医療を提供することは私たちの目指すホスピタリティでは無くなってしまいます。とてもバランスが難しいことではありますが、患者様の大切な時間をこちらのミスや采配不足で無駄にする事がないように今後も努めてまいります。
なるべく患者様の今の気持ちを理解し寄り添うことを大切にしたいので患者様とのコミュニケーションは私たちには欠かせないツールです。相手の気持ちを理解するということは決して簡単なことではありません。けれども、少しでも寄り添うことができたらという思いで日々現場に立っております。
人の言葉の奥にある「本音」という物が目に見えたらいいのになと思うこともありますが、なんでも見えることができたらきっと人と気持ちを分かち合うことへの喜びを感じることができなくなってしまうのではないかと思います。
見えないからこその醍醐味もきっとあります。
もっともっとお話しをできたらいいのですが、診療の限られた時間の中ではありますが患者様とのコミュニケーションを大切に少しでも寄り添うことのできる私たちで居ることができたらと思います。
当院はまだまだまだまだ未熟です。今後もスタッフみんなで成長していけるようスタッフ同士でもお互いの気持ちを理解しあっていけたらと思います。
みんなが幸せで平和でいられるために、お互いを理解して理解しあっていけたらいいですね。
遅い投稿となりましたが、みなさまゆっくりおやすみください。今日も1日お疲れ様でした。
2025.05.07